「初対面の人と会話が続かない」
「伝えたいことが伝わらない……」
「相手に変な印象を持たれたくない……」
こんな悩みを抱えている人は、多いのではないでしょうか。
かくいう僕も以前はめちゃくちゃ人見知りで、目を合わせて話すのが苦手でした。
ですが、美容の仕事はお客様の要望や意図を正確に汲み取らなければ成り立たない仕事。
そこで僕は、売れっ子と呼ばれる先輩方がどんなコミュニケーション術を持っているのか研究しまくりました。ざっと100人以上は分析したと思います。
そこから見えてきたのは、コミュニケーションスキルは先天的なものではないということ。つまり、鍛錬すれば誰でも身につくスキルなのです。
では、彼ら彼女らは、一体どんなことを意識してコミュニケーションをとっているのでしょうか?
これだけは身につけるべきスキルやコミュニケーションが苦手な人がやりがちなことを書いていきます。
会話は話そうとしてはいけない
会話が苦手な人の共通点の一つに「何か話さなきゃ」「話題が見つからない」という人がいます。
よく「コミュニケーションはキャッチボールだ」なんて例えられますが、僕の経験上からいってもそのイメージで上手なコミュニケーションをとるのは難しいです。
なぜならキャッチボールって簡単そうに見えて、考えることがたくさんあるからなんですよね。
- 相手はどんな返しをするのだろう
- 話しのペースはどれくらい?
- つまらない人と思われないためには?
- 話しづらいと思われないようにしよう
こんなことを瞬間的にやろうとすれば、話に詰まるのも無理はありません。
しかも、大半の人は相手にいいボールを返そうとするあまり、意識が自分にばかり向いてしまうので相手は二の次になってしまっているわけです。
ですが、会話は相手がいてこそ成立するもの。だから優先すべきは自分ではなく、相手なのです。
ですからまず考えるべきは、“いかに相手に気持ちよく話してもらうか”ということ。
キャッチボールというよりかは、相手にどんどんボールを打ってもらう「バッティング練習」のイメージです。
人は誰でも自分のことを理解されたい
自分のことを知ってもらったり、理解されて嬉しくない人はまずいません。
そうやって人に認めてもらうことで自分の存在価値を認識し、信頼関係を築いていきます。
家族や気が許せる友人、パートナーなどに誰でも一度は悩みを相談したことがあるでしょう。じゃあなぜ、あなたが彼らを選んだのか。話を真剣に聞いてくれるからではないですか?
適当な相づちしか打たない人や「それはおかしい」とすぐに否定する人に話をしても「本当に聞いているの?」「全然わかってない!」とモヤモヤするだけ。
もう二度と話そうという気はなくなってしまいますよね。それはあなただけではないのです。
コミュニケーションで一番大切なことは、相手が話してもいいと思ってもらうことです。それには雰囲気作りであったり、あなたの準備がカギを握ります。
「あなたと話ができてよかった」と相手に思ってもらえれば、もうこちらのものです。
心を開く唯一の方法は“興味を持つこと”
とはいえ、相手の心の開き方がわからない人は少なくありません。それもおそらくは、ベクトルが自分に向きすぎているせいなのかなと。
相手に心を開いてもらうのは、実はそれほど難しくはないんです。なぜなら、相手に興味を持つだけでいいのですから。
- どんな考えを持っているのか
- どんなことに興味があるのか
- 髪型や服装、アクセサリー類の好み
- 苦手なこと、嫌いなこと
実は意外なことに他人をどう解釈するかは、自分の幸福度を関係しています。
自分が満たされている状態であれば心にゆとりができ、視野が広がります。すると他人を理解する枠組みが多くなるので、いい関係を築きやすくなるのです。
反対に幸福度が低い人はそれと逆のことが起きますから、相手に興味を持つどころではありません。
そして人生経験が豊富なほど、相手が自分に本当に関心を持ってくれているか、本当に話したいと思っているかはすぐに見抜かれてしまいます。
もし、あなたが本当にいい人間関係を築きたいなら、相手に興味を持つことに全ての力を注ぐことをおすすめします。
情報はいくらでも溢れている
「初対面では何の情報もないから興味の持ちようがない」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。
ここで少し、発想を変えてみましょう。あなたなら相手にどんなことに興味を持ってくれたら嬉しいですか?
こんなことを聞く理由は、相手も同じことを求めているからです。
たとえば、髪型や肌の状態、身だしなみ、ファッション、小物類を褒められたり、興味を持たれたりして不愉快に感じる人はいないですよね。
それは、あなたという個性を相手が認めてくれたと認識したから。すると心を開いてみよう、という心理が自然と働きます。
ポイントはまず、パッと見た印象で一番最初に目についたものについて質問をしてみるといいと思います。
選手交代はたまにでいい
コミュニケーションは話そうとしてはいけないといいましたが、相手がずっと話し役でいると次第に「自分の話ばかりして悪いな」という心理状態になってきます。
これだけでも覚えておいていただきたいんですが、コミュニケーションの黄金比率は「8(聞く):2(話す)」です。
話を聞くのが少し疲れてしまった、単調になってきたと感じたら立場を交代して今度はあなたの話しをしてください。
おすすめの切り返し方は、
- 「自分もそうである」と共感する
- 過去のエピソードを話す
などです。
共感で切り返す場合は、自分がどうしてそう思うかの理由を話せばいいですし、過去のエピソードを話す行為は、相手をそれなりに信頼しているというサインにもなるので有効的な方法です。
また、自分の情報を開示することで相手はより心を開いてくれるようになるので、一石二鳥です。
笑顔で相手を安心させよう
自分の感情を示すと会話はさらに弾みます。「◯◯さんと話していると楽しいです」と直接伝えると効果大ですが、恥ずかしいと思う人多いでしょう。
そんなときにおすすめなのが「笑顔」。実は会話において人が一番楽しかったと感じるのは「笑顔の頻度」ではないか?という研究データもあります。
笑顔で話すと表情や声のトーン、ジェスチャーにも変化が表れます。
もし、相手が無表情だったら「楽しくないのかな?」「何を考えているんだろう」と不安になりますよね。円滑なコミュニケーションにおいて、感情表現はとても重要なのです。
また、『人を動かす』で有名なD・カーネギーもこんな言葉を残しています。
笑顔を見せる人は、見せない人よりも、経営、販売、教育などの面で効果をあげるように思う。笑顔のなかには、渋面よりも豊富な情報がつまっている。
(出典:『人を動かす』D・カーネギー)
笑顔が魅力的な人を見ると、それだけで清々しい気分になると思いませんか?
まとめ:相手ファーストの会話が信頼を生む
ここまでの内容をまとめてみます。
- 会話は話そうとしてはいけない
- コミュニケーションの第一歩は、相手に興味を持つこと
- 人間関係と幸福度は、深い関連性がある
- コミュニケーションは「8 : 2」を意識すべし
- 信頼は笑顔によって生まれる
人間関係は、あなたの豊かさを左右する大切な要素です。
どんな人と出会うかで、人生が大きく変わるといっても過言ではありません。
常に“相手ファースト”を心がけて、自分が相手に還元できることは何かを考えて接することで、きっとどんな場面でもいい関係を築き上げられるはずです。