コスメは成分で選ぶという人は多いのではないでしょうか。
僕自身、アラフォーということもあり、若々しいハリのある肌をキープするために成分は重要視している指標の一つです。
ただ、コスメの良し悪しは「◯◯が入っているから優秀」「△△は肌に良くない」という二元論で決められるほど単純なものではありません。
そこで本記事では、美容のプロであるEBATOが好んで使う美容成分を紹介しつつ、どんな視点で成分を見ているのかを共有したいと思います。
自分に最適なコスメ選びができるようになりたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いた人
自分の肌のプロになろう
肌を知るとコスメ選びがもっと楽しくなる
自分に合ったコスメを見つけるには、自分の肌をよく知ることが大切です。
どんなに高価でバズっている成分が配合されているコスメでも、肌との相性が悪ければ逆効果にもなり得るからです。
つまりその人の肌環境、ライフスタイル、肌トラブルなどによって最適解は全く異なるわけです。
スキンケアに正解がないからこそ「自分の肌のプロになること」が結果としていちばんの美肌への近道なのです。
“イイ成分”は人によって違う
ネットでは「毛穴にはA成分がいい」「ニキビにB成分はNG」といった断言口調がしばしばバズります(最近では嫌う人も増えているようですが)。
否定的なことはあまり言いたくはないのですが、「わかりやすさ」と「正しさ」は必ずしもイコールではありません。
安易な結論ほどリスキーなものはありません。大切なのは、インプットした情報に対して「本当にそうなのか?」と一呼吸置き、自分で調べる癖をつけることです。
これを繰り返すことで判断の質が上がり、情報の取捨選択も洗練されていくわけです。
こちらの記事では、質の高い情報収集の仕方について解説しています。あわせてご覧いただくと、より理解が深まると思います。
現代ではSNSやネット上で、たくさんの情報に触れる機会が多くなりました。便利な半面、なかにはデマや誤解を招く情報も多く存在しています。美容界隈では定期的にそういった情報がしばしば拡散されるのを目にします。「化粧水はほぼ水だか[…]
美容成分選びは「分解力」が重要
では、どのような考え方を持てば質の高い選び方ができるようになるのか。ポイントとなるのは「問題の細分化(僕は分解力と呼んでいます)」です。
たとえば、あなたが毛穴に悩んでいるとしましょう。一言に毛穴トラブルと言っても、アプローチの仕方は以下のようにさまざまです。
- 角栓の除去
- 余分な皮脂を除去
- 皮脂の過剰分泌抑制
- 抗炎症
- 抗酸化など
つまり重要なのは、「毛穴の何をどうしたいのか」まで問題を分解して考えること。漠然と「毛穴に悩んでいる」だけでは解決の糸口を見つけるのも困難です。
でも「毛穴の詰まりを解消したい」と問題が明確になっていれば、「角栓を除去しよう」「余分な皮脂をオフしよう」という具合にやるべきことも具体化しやすいと思いませんか。
美容のプロが好んで選ぶ美容成分8選
成分を紹介する前に僕の肌質についてお話しておこうと思います。
- 額や鼻にかけてのTゾーンの皮脂が多い
- 毛穴詰まりを起こりやすい
- 口周りはカサつきやすい
- 加齢の影響で水分不足を感じやすい
- 将来のためシミ予防や抗シワなどを取り入れたい
基本的にはこのような肌質なのですが、夏は特に脂が多くなりやすく、冬は夏に比べて脂も少なくなる傾向にあります。
そんな僕がどんな美容成分を取り入れているのか、どういった理由で選んでいるかをご紹介しましょう。
ベントナイト・カオリン
ベントナイトは水を吸収して膨張し、数倍に膨れ上がる特性を持つクレイ(泥)成分の一つです。
洗浄剤に使用すると、皮膚表面の皮脂をのみを吸着する効果があります。
カオリンも同様にクレイ成分の仲間ですが、皮膚への付着性に優れており、こちらはスクラブ剤に使われることがのある成分です。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体とは、ビタミンCを安定化させ、浸透性を高めた成分で、皮膚に吸収されながら高い抗酸化力を発揮するよう改良されています。
メラニンの生成を抑えシミ、ソバカスを防いだり、皮脂の過剰分泌の抑制、抗酸化作用まで期待できる美肌の優等生のような成分です。
他の成分と組み合わせることで、多角的なエイジングケアを行うこともできることから、僕の中ではスタメン成分として愛用しています。
ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)
ナイアシンアミドはビタミンB郡の一種で、肌荒れ、美白、抗シワといった幅広い効果をもたらしてくれます。
水溶性であり、化粧水やジェルなどさまざまなコスメに配合できる成分としても知られています。
ビタミンC誘導体との相性もいいことから、組み合わせて使うことが多い美容成分です。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、メラニンの生成を抑えることで美白効果が期待される成分です。抗炎症作用もあり、肌の炎症を鎮めることでシミやくすみの改善にも役立ちます。
注意していただきたいのは、トラネキサム酸は医薬品の成分に該当するため、化粧品に配合することはできず、医薬部外品にしか配合が認められていないという点。
日焼けによるダメージを抑えたい場合や、抗炎症作用のある「グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)」と組み合わせて肌荒れ防止としても有効です。
アルブチン
アルブチンは、チロシナーゼの活性阻害をしメラニンの生成を抑える美白成分で、シミ・ソバカスを予防する効果があります。
もともとはコケモモなどの植物から抽出されていた成分で比較的刺激が少なく、安全性が高い成分でもあります。
ビタミンC誘導体と組み合わせることで、シミやくすみを防ぐのに効果的で、肌を明るく保ちたい方やシミ対策をしたい方に適しています。
レチノール
レチノールはビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを促進し、抗シワ、肌荒れ改善に効果的な成分です。
注意点としては、シワ改善が認められたレチノールは資生堂の「純粋レチノール」のみとなっているため、抗シワ効果を期待するなら資生堂のスキンケア製品を選ぶといいでしょう。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、アスタキサンチンは、エビやカニ、サケなどに含まれる赤い色素(カロテノイド)の一種です。
強力な抗酸化作用を持つ成分で、特にシワの原因にもなる活性酸素を除去する作用があります。
また、皮膚表面の炎症を予防することから肌荒れ防止、毛穴ケア、美白などの効果も期待されます。
フラーレン
フラーレンは、強力な抗酸化作用を持つ成分で活性酸素を除去する作用が報告されています。
60 個の炭素原子からなる集合体で、サッカーボールのような形をしており、宇宙空間に漂うことからストーリー性のある成分としても有名です。
なかでも注目すべきは、ビタミンCの約172倍の抗酸化力で、酸化によるダメージを長時間抑える働きが確認されています。
まとめ:多角的視点からコスメを楽しもう
成分選びは、そのコスメの特徴や得意な肌悩みを知る一つの指標であることに変わりはありません。
ですが、成分表示は履歴書のようなものであり、そのコスメのすべてを理解することは難しいのもまた事実。
今回の記事ではあえて「おすすめ」という言葉を使っていないのも、僕がなぜその成分を選んでいるのかという理由、考え方を知ってほしかったという意図があります。
ぜひいろいろな視点を持ち、柔軟な思考で美容を楽しんでもらえたら幸いです。