こんにちは。EBATOです。
先日、株式会社クラレ様のご厚意で化粧品の原料セミナーへ参加させていただきました。
株式会社クラレ様は、愛らしいアルパカと「ミラバケッソ」のCMでおなじみの企業様。
主にフェイスパッなどで使われる繊維事業や包装袋の原料となるビニルアセテート系事業、プラスチックなどのイソプレン系事業などで私たちの生活を支えてくれています。
今回のセミナーでは多機能保湿剤「イソプレングリコール」という化粧品原料について学びました。
簡単にいってしまえば、化粧品の使用感を良くしたり、肌への刺激の抑えた化粧品を実現することができる優れた成分です。
記事の権威性
成分がわかると肌はキレイになる
自分の肌質に満足できない理由とは
カタカナやアルファベットが出るだけで「何だか難しそう……」と感じている人のために、まずはご自分が使っているスキンケア用品やヘアケア、メイクアップ道具をできるだけ出してみてください。
化粧品の裏には必ず成分が表示されています。あなたが使っている化粧品に「イソペンチルジオール」と書かれたものはありませんか。
文字は小さいし、カタカナばかりで目眩がするのはよくわかります。でも閉じるのはもう少し待ってください!
突然ですが、ここで一つ質問があります。あなたは普段、どんな基準で化粧品を選んでいるでしょうか。
口コミ評価が高いものだったり、パッケージで決めたり、ランキングサイトを参考にしたりする人がほとんどだと思います。
ですが、あなたは今の自分の肌に100%満足していますか。おそらく9割以上の人が「もっと潤いがほしい」「敏感肌を改善したい」といった悩みを抱えているはずです。
自分が納得をして選んだ化粧品のはずなのに、満足する肌にならないのはなぜでしょう。
それは、“プラスαの選び方”が関係しているからです。
上手な化粧品選びのコツ
個性や価値観と同じように10人いれば、10人違う。それが肌質です。
口コミなどで同じような肌質や悩みを抱えている人でも、同じ化粧品が肌に合うとは限らないのが化粧品選びを難しく感じる要因でもあります。
では、どうすれば「自分にとってのいい化粧品」を選ぶことができるのでしょうか。それには「成分」を正しく理解することが大切です。
とはいえ、難しそうなカタカナや記号を今さら一から勉強するのは酷な話。そこで成分の基本的な部分をわかりやすくお伝えしていきます。
「イソプレングリコール」ってどんな成分?
化粧品は大きく分けて次のような成分から成っています。
- 基剤 → 化粧品の「顔」となるベースの成分。使用感などに影響する
- 品質保持剤 → 化粧品が酸化したり、劣化するのを防いだりするためのもの
- 美容成分 → 乾燥、シワ、シミ、ニキビといった肌悩みに効果が期待できる成分
「イソプレングリコール(表示名称:イソペンチルジオール)」は、基剤の「水溶性成分」にあたり「保湿剤」も役割を担っています。
では、具体的に保湿剤にはどんな働きがあるのでしょうか。
- 保湿
- 肌なじみをよくする
- 肌を引き締める
- 使用感を調整する
- 他の成分の補助
などが挙げられます。
今回、ご紹介する「イソプレングリコール」は、様々なジャンルの化粧品に使用されている成分であり、肌や毛髪になめらかな感触を与えたり、化粧品の安全性を高めることが期待できる成分なのです。
また、低刺激の成分のため、刺激性の少ない化粧品を使いたい人に向いている成分といえるでしょう。
どんな化粧品に入っている?
先ほどお話ししたように「イソプレングリコール」はさまざまな化粧品に使われています。
化粧水や乳液、美容液、フェイスマスクといったスキンケアから、ボディソープ、サンスクリーンといったボディケア、シャンプー、コンディショナー、ワックスなどのヘアケア、ファンデーションなどのメイクアップ用品まで幅広く採用されているようです。
もしかすると、あなたが今使っている化粧品にも入っているかもしれませんね。
どんな効果がある?
なめらかな感触
「イソプレングリコール」を含む4種類の保湿剤を使ったヘアクリームを用いた官能テストを5段階評価で行ったところ、次のような結果になったそうです。
- すべり感、塗布時のなじみ、しっとり感、まとまりの4つの観点から測定(1が最低、5が最高)
- 「イソプレングリコール」は、すべり感、塗布時のなじみの2つで5点
- まとまりとしっとり感で4点
この結果からわかることは、ヘアクリームに配合することで毛髪にしっとり感が与えることでき、髪になじむことで指通りがよくなるといった効果が得られることがわかります。
また、毛髪の補修性能を調べる実験では、「イソプレングリコール」と「ソルビトール水溶液」を用いることで髪のキューティクルが補修されることもわかったようです。
つまり、「イソプレングリコール」はなめらかさを与えるのが得意な成分といえるわけです。
防腐効果をアップ
化粧品は、酸化したり傷むのを防ぐために防腐剤を入れることが多いのは、聞いたことがあると思います。
しかし、防腐剤には刺激性が強いものもあり、人によって肌トラブルを招く原因になることもあるのです。
そういった消費者の声から、最近では防腐剤フリーの化粧品も人気を集めています。
ですが、防腐剤フリーといっても防腐効果のある成分が配合されているケースは多く、逆にその成分が肌に合わず、本人さえも気づかない場合も少なくありません。
そこで少量の防腐剤でも防腐効果を高め、肌に低刺激かつ化粧品の安全性も維持するのに一役買っているのが「イソプレングリコール」。
防腐剤と一緒に使用することで、防腐効果をアップさせるブースト効果が認められています。
また、防腐剤の使用量が減ることで、生産コストも下げられるため、生産者と消費者どちらにもメリットが生まれるのも強みの一つです。
化粧品選びはフラットな目線が大切
よく「A成分は刺激性が強いので、選んではいけない」といった話を耳にしますが、僕は化粧品選びにおいて一番大切なのは、客観性を持つことだと思っています。
確かに化粧品成分の中には、肌には刺激が強すぎるものがあるのは事実。しかし、それはその成分のほんの一面にすぎません。
人にも長所と短所があるように、化学物質にも必ず長所と短所があります。つまり、化粧品に絶対はないのです。
ですから、一部の悪い面だけを見て判断をしてしまうのはとても勿体ないと思いませんか。
人間関係でも「第一印象は良くなかったのに話してみたら、すごく気が合う人だった」という話が珍しくないのと同じで、見方を少し工夫するだけで違う一面や楽しみ方を発見できるのも化粧品の醍醐味です。
今はスマホ一台あれば、いつでもどこでも情報を簡単に手に入れられる時代ですが、だからこそ同時に情報の学び方を身につけていく必要があります。
情報は本来、与えられるものではなく、自ら好奇心を持ち、行動して得られる対価。苦労して答えにたどり着いたときにはじめて自分の血肉となります。
目の前の情報を鵜呑みにして踊らされるのではなく、「なぜだろう」と些細な疑問を持つことで物事の本質を見抜く力が育まれていくのです。
ぜひ、成分の特徴を正しく捉え、効果的な化粧品選びをしてみてください。きっとあなたの肌は生まれ変わり、毎日のケアが楽しくなることでしょう。