サウナは、心身のリフレッシュや健康増進に効果的な習慣として、多くの人々に親しまれています。
本記事では、サウナの効果や正しい入り方、注意点などを美容のプロが詳しく解説します。サウナの魅力を再発見し、日々の生活に取り入れてみましょう。
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サウナの効果とは?科学的に解明されたメリット
サウナは、リラックス目的だけでなく、健康や美容にもさまざまなメリットをもたらします。
ここではサウナの科学的な効果と、その仕組みについて詳しく解説します。
効果①:血行促進と疲労回復
サウナに入ると体温が上昇し、血管が拡張することで血行が促進されます。
これにより、筋肉の緊張がほぐれ、酸素や栄養素が全身に行き渡りやすくなり、疲労回復につながると考えられています。
また、サウナ後の「水風呂+休憩(外気浴)」を組み合わせることで、血管の収縮・拡張が繰り返され、血流の循環がさらに改善されることが期待できます。
こんな人におすすめ
- デスクワークで肩こりや腰痛に悩んでいる
- 運動後の筋肉の疲れを効率よく回復したい
- 冷え性で手足の血流が悪く、むくみやすい
効果②:自律神経の調整とストレス軽減
サウナと水風呂を交互に利用する「温冷交代浴」は、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)の切り替えをスムーズにする効果が期待できます。
特に、現代社会では交感神経が優位になりやすく、ストレスがたまりやすい傾向にあります。
サウナで心身をリラックスさせることで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑える作用もあるとされています。
こんな人におすすめ
- 仕事のストレスが多く、疲れが取れにくい
- リラックスできる時間を持ちたい
- 睡眠の質を改善し、深く眠れるようになりたい
毛穴ケアと新陳代謝の促進による美肌効果
サウナで発汗することで、毛穴に詰まった皮脂や老廃物が排出され、毛穴の汚れがクリアになりやすいとされています。
また、血行が良くなることで肌のターンオーバー(新陳代謝)を促し、くすみや乾燥肌の改善にも役立つと言われています。
さらにサウナ後にしっかりと保湿を行うことで、肌のハリや弾力を維持しやすくなるため、スキンケア効果を高めたい人にもおすすめです。
こんな人におすすめ
- 毛穴の黒ずみや詰まりが気になる
- 乾燥肌やくすみが気になる
- 健康的なツヤ肌を目指したい
効果④:免疫力の向上
サウナに入ることで、体温が一時的に上昇し、ヒートショックプロテイン(HSP)が増加すると言われています。
このHSPは、細胞の修復を助けるタンパク質であり、免疫力を高める働きが期待されることが研究で示唆されています。
また、サウナの発汗作用によって体内の老廃物が排出されるため、デトックス効果も期待できます。
こんな人におすすめ
- 風邪をひきやすく、免疫力を高めたい
- 体のだるさをスッキリさせたい
- 体調管理を意識したい
効果⑤:睡眠の質の向上
サウナに入ると、体温が上昇した後にゆるやかに下がります。この体温の変化が、自然な眠気を誘発するため、入眠しやすく、深い睡眠につながると言われています。
また、リラックス効果があるため、寝つきが悪い人やストレスで眠れない人にもおすすめです。
こんな人におすすめ
- 寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚める
- ぐっすり眠れない、睡眠の質を改善したい
- 朝スッキリ目覚めたい
サウナには血行促進やストレス軽減、美肌、免疫力アップ、睡眠改善などさまざまな効果が期待できます。しかし、正しい入り方を守らなければ、逆効果になることも。そこで「サウナの正しい入り方」を見てみましょう!
サウナの正しい入り方!効果を最大限に引き出すポイント
サウナの効果を最大限に引き出すには、適切な入り方を知ることが重要です。
間違った入り方をすると、体調を崩したり、逆効果になったりする可能性もあります。
サウナに入る前の準備
準備①:事前の水分補給を忘れずに
サウナでは大量の汗をかくため、脱水症状を防ぐためにコップ1~2杯の水を飲んでおきましょう。
準備②:軽くシャワーを浴びて汗や汚れを落とす
皮膚の汚れを落とすことで汗腺が開きやすくなり、発汗効果が高まります。また、サウナを清潔に保つためにも必要なマナーです。
準備③:体を温めるために湯船に浸かる(可能な場合)
シャワーだけでなく、ぬるめのお湯(38~40℃)に5分ほど浸かることで血流が良くなり、サウナでの発汗がスムーズになります。
サウナ室での過ごし方
ポイント①:座る位置を選ぶ
サウナは上段ほど温度が高く、下段ほど低いため、初めての人や体調が不安な人はまずは下段に座るのがおすすめです。
ポイント②:8~12分を目安に入る
サウナに入る時間は8~12分が目安です。無理をせず、体調に合わせて時間を調整しましょう。
ポイント③:深呼吸を意識する
サウナ内では、ゆっくりと深呼吸をすることでリラックスしやすくなります。また、酸素をしっかり取り入れることで、血流促進の効果を高めることができます。
水風呂でのクールダウン
サウナの後に水風呂に入ることで血管の収縮を促し、全身の血流をスムーズにすることができます。
ポイント①:サウナ後は汗を流してから入る
水風呂に入る前に、必ずシャワーで汗を流すことがマナーです。
ポイント②:15~30秒ほど入るのが基本
水風呂の時間は、15~30秒程度が適切です。冷たすぎると感じる場合は、まずは足元から徐々に水をかけて慣らしてから入りましょう。
ポイント③:ゆっくり呼吸をしてリラックス
水風呂では、無理に長時間入る必要はありません。リラックスしながら、落ち着いた呼吸を意識しましょう。
休憩(外気浴)で「ととのう」
サウナ→水風呂の後は、5~10分間の休憩を取ることで、心身をリラックス状態に導くことができます。
ポイント①:座ってリラックスする
休憩時は椅子やベンチに座り、全身の血流がゆっくりと回復するのを感じながら深呼吸しましょう。
ポイント②:「ととのう」感覚を味わう
サウナと水風呂の温冷交代浴によって、血流やホルモンバランスが整い、リラックスした感覚になることを「ととのう」と表現します。サウナの醍醐味とも言えるこの感覚を楽しみましょう。
サウナのおすすめのセット回数
サウナの効果を最大限に引き出すには、「サウナ→水風呂→休憩」のセットを2~3回繰り返すのが一般的です。
基本的なサウナのセット
- サウナ(8~12分)
- 水風呂(15~30秒)
- 休憩(5~10分)
- これを2~3回繰り返す
初心者向けのサウナの入り方
- 最初はサウナは6~8分、水風呂は15秒ほど
- 徐々に慣れてきたら、時間を延ばしていく
- 体調に合わせて無理をしない
サウナ利用時の注意点!安全に楽しむためのポイント
サウナは健康や美容に多くのメリットをもたらしますが、間違った利用方法や注意を怠ると体調を崩すリスクもあるため、安全に楽しむことが大切です。
ここでは、サウナを利用する際の注意点と、安全に入るためのポイントを解説します。
ポイント①:サウナ前後の水分補給を忘れずに
サウナ前後にコップ1~2杯の水を飲む
サウナでは大量に汗をかくため、脱水症状を防ぐためにも水分補給が必須です。特に、サウナに入る前と出た後の水分補給を徹底しましょう。
アルコール摂取後のサウナはNG
アルコールは血圧の急変を引き起こしやすく、サウナとの組み合わせは脱水や意識障害を招く恐れがあるため、飲酒後のサウナ利用は避けるのがベストです。
ポイント②:体調がすぐれないときは無理をしない
サウナは血流を促進する効果があるため、体調がすぐれないときや、熱っぽいときには利用を控えるのが賢明です。
こんなときはサウナを避けるべき
- 風邪気味や発熱があるとき
- 体調不良や倦怠感を感じるとき
- 低血圧や高血圧の症状があるとき
- 空腹時や食後すぐ(消化不良を引き起こす可能性あり)
また、サウナ中に頭がクラクラしたり、息苦しさを感じたりした場合はすぐに退出しましょう。
ポイント③:サウナの入りすぎに注意する
サウナには適切な入浴時間があり、長時間入れば効果が高まるわけではないため、適度な時間で利用することが重要です。
サウナ室に入る時間の目安
- 初心者は6~8分からスタート
- 慣れてきたら8~12分を目安にする
- 1回の利用で合計3セット(最大40分程度)が理想
入りすぎると起こるリスク
- 脱水症状:汗をかきすぎると、体内の水分とミネラルが不足し、めまいや頭痛を引き起こすことがある
- 熱中症リスク:長時間の高温環境で体温調節がうまくいかず、意識障害を起こす可能性がある
- 自律神経の乱れ:交感神経が過剰に刺激され、逆に疲れを感じることがある
サウナは、適度な時間・回数で利用することが大切です。
ポイント④:水風呂は慎重に入る
水風呂はサウナの効果を高める重要な要素ですが、無理をすると心臓や血管に負担をかけるため、正しい入り方を守ることが大切です。
水風呂の正しい入り方
- サウナ後にしっかり汗を流してから入る(マナーとしても重要)
- 足からゆっくりかけ湯をして、心臓に負担をかけない
- 初心者は15秒~30秒程度から慣らしていく
- 寒すぎると感じたら無理をせず、無理なく出る
また、高血圧や心臓疾患を持っている人は、水風呂の利用を控えるか、医師に相談してから利用することが推奨されます。
ポイント⑤:サウナ後のアフターケアも忘れずに
サウナ後は、体温が一時的に上がっている状態なので、体調管理をしっかり行うことが重要です。
サウナ後に意識すべきポイント
- 水分補給をしっかり行う
- 急に動かず、5~10分ほどゆっくり休憩する
- 保湿ケアを行う
- 無理に食事を取らない
初めての人でも安全に楽しむためのポイント
サウナ初心者は、自分のペースで無理なく楽しむことが大切です。
サウナ初心者が意識すべきポイント
- 低温サウナ(70~80℃)からスタートする(高温すぎると負担が大きい)
- 水風呂の温度に慣れるまで、短時間から入る(いきなり冷たい水風呂はNG)
- 1セット目は短めに(サウナ6分・水風呂15秒・休憩5分など)
- 体調の変化を感じたらすぐに休む
安全にサウナを楽しむために
サウナは正しく利用すれば、血行促進・疲労回復・自律神経の調整・美肌効果・睡眠の質向上など、多くのメリットがあります。
しかし、無理な長時間滞在や水分不足は逆効果になるため、以下のポイントを守ることが大切です。
- サウナ前後の水分補給を忘れない
- 体調が優れないときは無理をしない
- 適度な時間・セット数で楽しむ(8~12分×3セットが目安)
- 水風呂は慎重に入り、心臓に負担をかけない
- サウナ後の休憩・保湿・ミネラル補給も意識する
自宅で楽しめるおすすめサウナグッズ
サウナに行く時間がない人や、もっと気軽にサウナを楽しみたい人には、自宅で使えるサウナグッズがおすすめです。
最近では、家庭用サウナやサウナ気分を味わえるアイテムが豊富に販売されており、手軽にリラックスできる環境を整えることができます。
ここでは、本格的なサウナ体験を自宅で楽しめるおすすめグッズを紹介します。
サウナハット|頭部の過熱を防ぐ必須アイテム
サウナハットは、サウナ内で頭を高温から守るための帽子です。
頭部は体の中で最も熱を感じやすい部位のため、長時間サウナに入るとオーバーヒートしやすくなります。
サウナハットをかぶることで、頭ののぼせを防ぎ、快適にサウナを楽しむことができます。
おすすめポイント
熱から頭皮や髪を守る(サウナの熱ダメージから髪を保護)
のぼせを防ぎ、長時間リラックスできる
速乾性&抗菌素材のものを選ぶと衛生的
4-2.ポータブルサウナ|自宅で手軽に本格サウナ体験
ポータブルサウナは、自宅で本格的なスチームサウナを楽しめる画期的なアイテムです。
組み立て式のサウナテントとスチーム発生装置がセットになっており、設置後すぐに使用可能。
電源を入れるだけで、短時間でしっかり発汗できる環境を作れます。
おすすめポイント
- 本格的なサウナを自宅で手軽に体験できる
- 低コスト&省スペースで設置可能
- デトックス・発汗作用を高めたい人に最適
サウナマット|快適&衛生的に楽しむための必須アイテム
サウナマットは、サウナ内の座席や床に敷くことで、より快適に過ごすためのアイテムです。
特に施設のサウナを利用する際は、直接座るのを避けるためにも持参するのがおすすめです。
おすすめポイント
- 熱くなりすぎる座面を和らげ、快適に座れる
- 衛生的に使用できる(抗菌・速乾タイプがおすすめ)
- 折りたためるタイプなら持ち運びしやすい
サウナ用アロマオイル|リラックス効果をさらにアップ
サウナの楽しみ方のひとつとして、アロマオイルを使った「ロウリュ体験」があります。
ロウリュとは、サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる方法のこと。
専用のアロマオイルを使用することで、サウナのリラックス効果をさらに高めることができます。
おすすめポイント
- 香りの効果で、より深いリラックスが可能
- 気分や体調に合わせて香りを選べる
- 自宅のスチームサウナやお風呂でも使える
サウナドリンク|発汗後の水分&ミネラル補給に最適
サウナ後は大量に汗をかくため、適切な水分&ミネラル補給が重要です。
普通の水でもOKですが、ナトリウムやカリウムなどのミネラルを含むドリンクを摂取するとより効果的に体調を整えられます。
おすすめポイント
- サウナ後の水分補給&エネルギーチャージに最適
- 糖分控えめで、さっぱりした味わいのものが◎
- ミネラル&電解質を補給できるドリンクを選ぶとベスト
自宅でサウナ気分を満喫しよう
サウナは施設で楽しむのが一般的ですが、自宅でもサウナグッズを活用すれば、本格的なリラックス体験が可能です。
特に、ポータブルサウナやサウナハット、アロマオイルなどを取り入れることで、気軽にサウナのメリットを感じられます。
自宅サウナを楽しむためのポイント
- ポータブルサウナで本格的なスチームサウナを体験
- サウナハット&サウナマットで快適さをUP
- アロマオイルで香りを楽しみながらリラックス
- サウナドリンクで発汗後の水分補給をしっかり行う
日常的にサウナを取り入れたい人は、自宅用サウナグッズを活用しながら、手軽に健康&リラックス習慣を実践してみましょう。
まとめ:サウナの効果を最大限に引き出そう
サウナは、血行促進・疲労回復・ストレス軽減・美肌効果・免疫力向上・睡眠の質改善など、多くのメリットをもたらします。
しかし、間違った入り方をすると逆効果になることもあるため、正しい利用方法と適切な注意点を押さえることが大切です。
サウナの効果を最大化するポイント
- サウナ前後の水分補給を忘れずに
- サウナ→水風呂→休憩(外気浴)を2~3セット行う
- 体調に合わせた時間設定を守る
- サウナ後の保湿とミネラル補給を徹底する
サウナを日常的に取り入れることで、心身のリフレッシュや健康維持につながります。自分のライフスタイルに合った方法で楽しみながら、より質の高いリラックスタイムを過ごしましょう!
参考文献
日本サウナ・スパ協会|サウナの健康効果と基礎知識(https://www.sauna.or.jp/kisochishiki/saunabook_5.html)
沢井製薬|サウナの健康効果と自律神経の関係(https://kenko.sawai.co.jp/healthy/202307.html)
アイガン公式サイト|サウナの美容効果とスキンケア(https://www.aigan.co.jp/aigan_style/column/281)
ニフティ温泉|サウナと健康管理に関する特集記事(URL: https://onsen.nifty.com/onsen-matome/241022534459/)
(PubMed|サウナと血流・免疫機能に関する研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31476862/)
医者が教えるサウナの教科書(加藤容崇・著、ダイヤモンド社)