シミができる原因と正しい対策法は?美容のプロがズバリ解説

「シミが増えてきて悩んでいる」
「効果的なシミの予防法を知りたい」
「美白化粧品は本当にシミに効くの?」

こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

肌のシミは、正しい予防法や日々の積み重ねのケアが何より大切な肌トラブルの一つです。

誤ったケアで悪化させないためにも、原因やメカニズムを正しく知っているかがポイントになります。

そこで本記事では、元美容部員でもある筆者がシミの原因を徹底解説し、シミの正しい予防法をご紹介します。

 記事の権威性

筆者プロフィール

そもそも「シミ」とは

肌のシミは、専門用語で「老人性色素斑」とも呼ばれます。「老人性」という名前ではあるものの、20代~30代からできる人もいます。

シミの種類として「肝斑」や「雀卵斑(ソバカス)」「炎症後色素沈着」などが挙げられることがありますが、原因や特徴が異なるため、シミとは少し異なります。

男性美容家EBATO
本記事では、「シミ=老人性色素斑」で解説していきます

シミは簡単にいえば「長年の負債」です。なので若いうちから正しい知識を知り、対処するかが重要です。

すでにシミができてしまっている場合はもう手遅れかというと、そうではありません。正しいケアを根気よく継続することで悪化防止につながります。

シミができる3つの原因

シミができる原因1:紫外線

シミはメラニン色素が増えることでできる

シミのおもな原因は紫外線です。紫外線を浴びると肌内部ではメラニン色素の生成をします。

メラニン色素は本来、日焼けから肌を守るために生成されるもので、最終的にはターンオーバー(肌の新陳代謝)の過程でアカとして剥がれます。

ところが過剰に紫外線を浴び続けるとメラニン色素が過剰に生成され、排出が追いつかずに肌内部に蓄積されます。これが肌表面に「シミ」となって現れるわけです。

シミの原因、メラニンができる仕組み
シミの原因、メラニンができる仕組み

紫外線は年間を通じて注意する

紫外線は日差しの強い日や真夏に多いイメージがありますが、実は春頃から増え始めています。

下図は気象庁が発表している月ごとの紫外線量を数値化したもので緑が弱く、赤がもっとも強い月を表しています。

気象庁による年度ごとの月別紫外線量
出典:気象庁 日積算紅斑紫外線量の月平均値

緑は少ないように見えますが、季節の変わり目や肌が乾燥しやすい冬場は肌を防御するバリアが低下しやすいので、注意が必要です。

また、紫外線は雲を通過するため、シミ予防のためには季節や天気にかかわらず、対策をすることが大切になります。

シミができる原因2:ターンオーバーの乱れ

シミの原因には加齢やストレス、喫煙、間違ったスキンケアなどによるターンオーバーの乱れが関係しています。

ターンオーバーは約28日間が理想と言われていますが、加齢とともに肌の再生サイクルが遅くなるとメラニンが肌表面に蓄積しやすくなります。

さらにストレスや喫煙は活性酸素を増やし、細胞にダメージを与えてターンオーバーを乱す場合があり、シミが増えるリスクが高まるので注意しましょう。

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ターンオーバーは早すぎても遅すぎても問題があります。適切なスキンケアはまず己を知ることから。自分の肌が今どんな状態か、毎朝鏡でチェックをしてみましょう

シミができる原因3:ホルモンバランス

女性の場合、生理不順や妊娠、出産、更年期など女性ホルモンが変動するとメラニンの生成が増加し、シミができやすくなると言われています。

今日からできるシミ対策

紫外線対策を徹底する

シミを作らせないためには、年間を通して紫外線対策をすることが最も重要です。

紫外線量は春ごろから増えてきますが、比較的少ない冬場や曇りの日なども日焼けし肌にダメージを与えるリスクがあるからです。

また、紫外線はガラスを通過するので車や電車に乗っていたり、部屋の中にいたりしても紫外線を浴びてしまいます。

毎日のスキンケアに日焼け止めをプラスして紫外線対策を徹底しましょう。

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日々のスキンケアを見直す

間違ったお手入れ、肌に負担のかかるスキンケアは、ターンオーバーの乱れの原因になります。

 間違ったスキンケア一例

  • 肌質に合わない化粧品を使う
  • 肌がうるおうまで保湿していない
  • 肌をゴシゴシ擦って洗う
  • シェービング剤を使わない
  • 逆剃りメインでシェービングをする(T字カミソリ使用時)
  • 切れ味の悪い刃、不衛生な刃でヒゲを剃る

誤ったスキンケアを続けてしまうと肌を守るバリア機能が低下し、紫外線のダメージを受けやすくなるため注意が必要です。

健康なターンオーバーを維持することがシミ予防の鍵になることをぜひ覚えておいてください。

美白化粧品は複数組合わせて使う

シミ予防には、美白化粧品を使うのが効果的だということは皆さんご存知の通りと思います。

美白化粧品は薬ではないので、シミが急に消えるわけではないですが、ごく初期の薄いものであれば薄くなることはあります。

そこで注目していただきたいのが、美白有効成分です。美白成分には種類によって働きかける箇所が異なります。

①メラニン生成命令をストップ

紫外線を浴び続けることで「メラニンを作れ」という命令に対し、ストップをかける働きをします。

 代表的な美白有効成分

トラネキサム酸、カモミラETなど

②チロシナーゼの働きを抑える

チロシナーゼという酵素の活性を抑制することで、過剰なメラニンの生成を抑えることができます。

 代表的な美白有効成分

アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール(4-n- ブチルレゾルシノール)、ビタミンC誘導体、4MSKなど

③メラニンの受け渡しを阻害する

メラノソームという場所で増えたメラニン色素は、一定量に達すると移送が行われますが、その受け渡しを阻害することでシミを予防することができます。

 代表的な美白有効成分

ニコチン酸アミド

④蓄積したメラニンの排出を促す

肌のターンオーバーを整えることで、蓄積したメラニンの排出を促すことで既にできてしまったシミに働きかけます。

 代表的な美白有効成分

エナジーシグナルAMP(アデノシン一リン酸ニナトリウム OT)、PCE-DP(デクスパンテノールW)

それぞれ違う働きをする美白化粧品を使用することで、相乗効果が期待できます。

日焼けしたらその日のうちに肌を冷やす

日焼けは軽いやけどと同じなので、できるだけ早くアフターケアをすることが大切です。放っておくと色素沈着を起こし、シミの原因になります。

濡れたタオルに保冷剤や氷を包み、赤くなっている箇所を冷やすことで、炎症の進行を抑えることができます。

すでにできたシミを消すには?

度合いにもよりますが、原則として一度できてしまったシミは、クリニックでのレーザー治療でしか消すことができません。

したがってネット広告でよくあるシミが簡単に剥がれたり、消しゴムのカスのようにポロポロとシミが取れるようなことは有り得ません。

また、セルフケアでむやみに消そうとすると逆に悪化してしまう場合があるので、注意してください。

まとめ:シミはつくらせないことが大切

シミは生きていれば、誰にでもできるリスクがあります。

紫外線を浴びてもすぐにシミができるわけではないため、危機感を持ちにくいかもしれませんが、「自分は大丈夫」と過信しないこと。

また、すでに出てしまったシミを悪化させないために老若男女問わず、紫外線対策は必要です。

正しいシミの知識と予防法の理解を深めるきっかけになり、シミのない肌を目指す手助けができたら幸いです。

参考文献

・化粧品成分オンライン(https://cosmetic-ingredients.org/)
・気象庁(https://www.jma.go.jp/jma/index.html)
・PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/)
・日本化粧品検定 2級・3級対策テキスト コスメの教科書(小西さやか著、主婦の友社)
・正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全(岡部美代治著、ナツメ社)
・効果的な「組み合わせ」がわかる 化粧品成分事典(久光一誠著、池田書店)