「センスいいね!」と周りから褒められたい
自分に似合う洋服を着こなせるようになりたい
誰でも一度は悩んだことがある洋服の悩み。
周りのお洒落な人を見ると羨ましくなったり、つい自分と比較して自己嫌悪してしまう人も多いと思います。
ファッションの勉強のなかで一番為になったことは、「プロの話を聞いて実践してみる」ことでしょうか。
そこで本記事では、僕がこれまで仕事やプライベートで出会ったファッション業界で働く方々から聞いた「心に響いた言葉」や「センスを磨く上で大切にしていること」などをまとめてみました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
記事の権威性
そもそもセンスとは何か
センスは誰でも伸ばせる能力である
我々は日常的に「これはセンスがいい」「あれはダサい」など判断をしていますが、結局のところセンスの良し悪しは人の価値観に過ぎません。
では、その価値観の構成要因とは何か。センスとは、物事に対する洞察力やそれを美しく、または効果的に表現する能力だと僕は考えています。
ここでポイントになるのが、センスはあくまで能力であり、才能ではないということ。誰でも学び、伸ばすことができるものなのです。
能力は「人生経験」によって培われる
以前、個人売上No.1のアパレル販売員Aさんと話す機会があり、こんな質問をしたことがあります。
「売上1位を達成する上で、一番自分の身になっているものは?」
するとAさんからはこんな答えが返ってきたのです。
「お客様がどうすれば笑顔になってくれるかな?」をひたすら考えたことだと思います。業務的な接客ではなく、一人の人として接するため、色々なお話ができるように、趣味を含めて色々な経験をしたのが良かったと思っています。
Aさん曰く、ファッション以外のことにも積極的に目を向けるようにしたことで、引き出しが増えてファンになってくれるお客さんが増えていったそうです。
「あの人はセンスがある」という言葉の裏には、今まで感じたことのない体験や驚き、発見があるのだと思います。
つまり「どこかで見聞きしたことがある」ではセンスがある人にはなり得ないとも言い換えられます。
センスを高めるには、自らの「経験」と「学び」を糧に独自の視点や価値観を確立していくことが重要になるわけです。
【学ぶ】センス磨きの基本3つ
「真似」から多くの刺激を受ける
いきなりセンスを学ぶといっても、何をすればいいのかわからない人は多いと思います。そこでおすすめなのが、「真似」から始めてみることです。
お洒落だと思う人と同じもの(もしくは似ているもの)を持ってみる、憧れの人の言動を真似てみるなど何でも構いません。
真似ることは立派な学び
真似は「パクリ」「盗む」のようなネガティブなイメージがありますし、「自分を持っていないように見られるんじゃないか?」と不安に思うかもしれませんが、学ぶうえで真似は重要なプロセスなので、むしろ積極的に真似をした方がいいと僕は思います。
一流のプロの人たちの話を聞いてみても、
- 「◯◯さんに憧れて服に興味を持った」
- 「最初は▲▲さんの真似ばかりしていた」
という意見は多く見受けられました。
それに幼少時代から現在に至るまで、無意識に周りの誰かに影響されて、何かしらの真似をして生きてきた人がほとんどだと思います。
“丁寧に真似る”新しいと気づきを得られる
真似を自分の血肉にしていくためには、「丁寧に真似る」ことが大切です。
たとえば、「俳優のAさんみたいになりたい!」と思ったなら惹かれた理由や、どんな所なら無理なく真似できそうか、真似をしてみた結果などを自分なりに考えてみる。
そうすることで自分だけの価値観を獲得することができます。それを積み重ねることで「真似」が「創造」に変化し自分の「センス」として確立されるわけです。
時間はかかりますが、センスの裏にある背景や、その人が積み上げてきた努力に心動かされるのもまた人ではないでしょうか。
自己分析をして自分を知る
ファッションセンスの質をより高めていくには、自己分析が必要不可欠です。
なぜなら、センスの良し悪しは周りの評価で決まるもの。自分の魅力を理解し、「魅せ方」を知ることはセンスを形成するうえで重要なプロセスになります。
最も「自分らしさ」が投影される部分でもあるので、真剣に考えて深掘りするほど周りの目を引きつけることにつながるはずです。
自分の体型にマッチする服を選ぶ
お洒落に見えるポイントの一つとして、シルエットが挙げられます。
特にファッションは視覚情報に左右されるので、服のサイズと体型とのバランスが重要になります。
例を挙げると、肩幅が広く、ウエストが細いアスリート体型の人の場合は、フィット感のあるトップスがよりボディラインを際立つとのこと。
細身の体型の場合は、重ね着をしたり、全体的にゆとりのある服を選ぶとバランスがよく見えます。
普段の服選びの基準を少しアップデートするだけで全体のバランスは大きく異なります。
「あの人と同じ服なのに自分が着ると似合わない…」といった場合は、必ず試着してサイズを確認してみましょう。
「好きな色」より「自分に似合う色」をまとう方が得をする
服のサイズと合わせて考慮したいのが、服の色です。
自分に似合う色の服を意識して選ぶことで、ファッション全体の完成度が高くなります。そのほかにも、
- 肌の色や顔色が明るく健康的に見えやすい
- “しっくり感”を感じやすくなる
- ファッションのバリエーションが増える
- 他者からの印象が良くなる
などのメリットもあります。
ファッションは五感の中でも視覚情報の割合が大きいため、パーソナルカラーなど理論に裏打ちされた色彩や、肌色、髪の色に合う色合いの服を選ぶことでセンスの引き出しが増えるかもしれません。
最近では、AI診断で自分に合う色の服を提案してもらうこともできるので、活用してみるのもいいでしょう。
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好評だったファッションからヒントを得る
「センスいいですね」と言われたいなら、過去に周りから褒められた服を思い出してみるのも実用的な方法です。
「その服がなぜ自分に合っていたのか」「色違いでも似合うのか」など多角的に考えることで、自分らしいファッションの要素を見つけるヒントにもなります。
- 「◯◯の人は✕✕をするな」
- 「~した方がいい」
- 「~なら△△一択!」
などの表現はとてもわかりやすい反面、盲目的になりやすく、かえって視野を狭めてしまうことにもなりかねません。
センスというのは正解がないからこそ、創造的に考えて自分なりの答えを正解にしていくことが大切です。
非効率だからといって、合理的になりすぎると「本物」を見失ってしまいます。
楽しみながら、自分のペースを大切に、じっくりと育むくらいの余裕を持つことでより深い領域での学びが得られるはずです。
プロにきいた周りと差がつくセンスの磨き方6つ
ここからは、プロが実際にやっているセンスを磨くための方法を紹介します。
全てを紹介するのは難しいので、僕が感銘を受けたことや共感したことから、一風変わった方法など●つを共有していきますよ。
美しいものにたくさん触れる
自分だけのセンスを確立していくためには、「独自性」が一つのポイントになります。
そこで効果的になるのが、絵画、ファッション、自然の景観など、多様な「美」に触れることです。
色彩、形、バランスなど美の要素を自分なりに理解を深め、さらに「なぜ美しいと感じたのか」と問いを立てることが独自性が生まれるのだと思います。
「なぜ好みではないのか」という視点で考えることで、自分とは異なる意見やスタイルなどへの理解に繋がるので、新しい視点をもたらしてくれます。
全力で遊ぶ
意外な答えかもしれませんが、僕の周りのお洒落な人たちは多趣味の人たちが多いと感じています。
インドア、アウトドア限らず、少しでも面白いと思ったことはとりあえず体験してみることを大切にしているようです。
そもそもセンスや感性、インスピレーションの類は、科学的にいえば脳で感じるもの。
その脳を活性化するには、遊び・娯楽などの刺激が必要だという研究者もいるくらい実は重要な要素なのです。
服のことばかり考えるのは悪いことではないけど、服のことしか勉強しない、必要なことをしかしない人間は目新しさを感じにくい
実際に僕が話を聞いたなかで、このような意見を持っている人も数名いらっしゃいました。
たとえ遊びでも全力で取り組んだり、突き詰めることで初めて分かることや見える世界がある。
そういった物事の姿勢だったり、生き方がエッセンスになっているのかもしれません。
読書をする
センスの高い人を目指すためには、周りから一目置かれる人になるのも近道だと僕は思います。
「相手の興味を惹く何か」を身につけるのは容易ではありませんが、誰でも取り組みやすい方法として挙げられるのが読書です。
社会的に成功をしている人ほど読書をするという話がよくありますが、実はデザイナーやアーティスト、役者など表現者の間でも読書好きが多いのです。
読書は記憶力の強化を含め、言語能力や創造力の向上をもたらすといわれており、過去の経験から新しいものを創造するというプロセスが重要になるセンスと密接な関係にあるといえそうです。
読書が苦手という人は、趣味や仕事、日常的なコミュニケーションなどを追求することを意識することで脳が活性化し、読書と同じような効果を得ることができますよ。
自分と対極の意見を否定しない
自分が信じたいもの、共感できる意見だけを見ることは簡単です。ただ、それだとセンスを育むうえで重要な新しい知識や経験を増やすことは難しいでしょう。
自分と真逆の意見を知ることでわかることもたくさんあると僕は思っています。
そのためには、理解できないから否定するのではなく、相手がなぜそう考えたのかを知ろうとすること意識を持つことが大切です。
理解はできないかもしれない。けれど理解できないことを、理解することで磨かれるセンスもあるのではないでしょうか。
センスは形なきものだからこそ、日々の思考や経験が線となってつながり、新しいイマジネーションにつながることがあるのだと思います。
あえて好みじゃないものに触れてみる
現在はSNSや動画、ショッピングに至るまで自分の好みに合うものが表示されるような仕組みがとても多く見られますが、個人的には「自分で探すからいいのに…」と思ってしまいます。
以前、化粧品ブランドのイベントで世界で活躍するスタイリスト祐真朋樹氏のお話を聞く機会がありました。
美容家EBATOこんにちは、美容家のEBATOです本記事では、メンズスキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」の新製品【THE FABRIC FRAGRANCE】の魅力をご紹介します!先日、バルクオ[…]
祐真氏は「買い物をするときのこだわりは?」という質問に対し、
「自分の好みじゃないもの、今まで買った経験がないものをあえて選ぶようにしている」
とおっしゃったのです。そうすることで新しい発見があったり、視点を変えると実は好きな部分が見えたりするのだそう。
何気ない日常のなかでも常にヒントを得ようとする姿勢を持つことが、業界のトップに君臨する秘訣なのだと思いました(自分の好きなものに囲まれるのは確かに楽しいですけどね)。
ただ言い換えれば、センスを磨くヒントは特別なことをせずとも道端に転がっている石ころのように、何気ない日常の中にあるのかもしれません。
プロのスタイリストにコーディネイトしてもらう
経験値を増やす、プロの服選びを学ぶという意味では、洋服のサブスクを利用するのも一つの手だと思います。
よくある流れとしては、LINE登録をして趣味嗜好や体型、どんなときに着る服なのかを細かくヒアリングし、自宅に洋服を送ってくれるといった感じ。
自分が選ぶ服と比較して、違いを考えてみるのもファッションセンスのレベルアップにつながるはずです。
お店で買うのが苦手な人や、荷物を増やしたくない人は利用してみてはいかがでしょうか。
【番外編】パリコレメイクアップアーティスト直伝のセンス磨きトレーニング
これは僕がまだ美容業界に入りたての頃、師匠から教わったセンスを磨くためのトレーニング方法です。
やることは簡単。自分が美しい、きれいだと思うものを集めて「なぜそう思ったのか」を考えるだけ。
本当の自由はけっこう悩む
ここでポイントなのが、全て自由に決めることです。見るものは人、服、メイク、風景、絵画…など何でもいいし、理由は一言だけでもいい。
たとえば、僕が最初にやったのは美容雑誌を手当たり次第、1ページずつめくっていき、目に止まったものに対して「なぜ止まったのか」を考えることをひたすらやっていました。
その甲斐もあってか、業界未経験の冴えない男だった自分がコンテストで金賞を取れるまでになったのはいい思い出です。
受け身ではセンスは育たない
そのとき初めて気づいたのが、センスは何もしないと一生育たないということです。
このトレーニングは、経験値を増やすこと以外に自頭を鍛えることで創造力を向上させる狙いがあると僕は思うのです。
繰り返しになりますが、センスは脳の情報の蓄積によって生まれるものなので、何も考えずにいると育たないわけです。
今の僕があるのこうした経験をしてきたからだとも思っており、本当にやってよかったトレーニングだと思っています。
【実践編】センスがよく見える服の選び方
センスはとても漠然としているものですが、視野を広げて自分の引き出しを増やすことが大切です。
そうはいってもいまいちピンと来ない人も多いと思います。そこで洋服選びがどうしても苦手という方のために、より実践的な方法をご紹介します。
抑えるべきポイントは全部で3つです。
- 客観的にどう見られたいかをイメージする
- ロールモデルを見つけて真似をしてみる
- ショップ店員さんを上手に使う
- 必ず全身鏡でチェックする
順番に解説に解説します。
STEP1:客観的にどう見られたいかをイメージする
センスがあるかないかは自分が決めることではなく、あくまで周囲の人が決めること。
自分が着たい服を着るのは悪いことではありませんが、まず相手にどう見られたいかを意識することが大切です。
なぜなら、いくら自分がお洒落だと思っていても相手がそう思わなければ永遠に「センスあるね」と言われることはないからです。
STEP2:ロールモデルを見つけて真似をしてみる
自分よりお洒落でかつ体型や雰囲気が似ている人を見つけて、コーデを真似してみてください。
ここで大切なのは、サイズ感をしっかりと観察したうえで実際に自分で服を試着してみること。
服は1サイズ違うだけで印象やシルエットが全く変わってしまう場合があるので「着れるからこれでいいや」は絶対にNGです。
もしロールモデルがいない場合は、マネキンコーデを試着してみるのもおすすめ。
STEP3:ショップ店員さんを上手に使う
店員さんに話しかけるのが苦手でお店で買わない人も多いと思いますが(僕もそうでした)、あえてこちらから話しかけてみるのも一つの手段です。
洋服選びは客観的な視点が大切という話をしましたが、どうしても自分では判断できないというケースもあると思います。
そこで店員さんに「どっちが合いますか?」と聞くことで、客観的な意見を得られるメリットもあるのです。
STEP4:必ず全身鏡でチェックする
洋服選びにおいて全体のバランスは非常に重要なので、必ず全身が見える鏡でチェックしてください。
その際、試着室内で見るのではなく、できれば部屋から出て離れた位置から見るのがおすすめです。
サイズはピッタリか、やぼったい箇所はないか、色は合っているかなどいろいろな角度から眺めると改善すべきポイントも見えてきますよ。
まとめ:ファッションセンスとは試行錯誤の連続である
ここまでの話をまとめます。
- センスとは才能ではなくスキル
- センスは経験と思考によって磨かれる
- ファッションセンスを磨くには多角的な視野を持つことが重要
- センスを磨くヒントは全く関係ないところに転がっていることもある
- 試行錯誤してファッションセンスを磨こう
センスは経験によるところが大きいことがおわかりいただけたかと思います。裏技はありません。
漠然としているものだからこそ、目に見えているものだけが全てじゃないのかもしれません。
センスがない人にならないためにも、色々なところにアンテナを張り巡らせて自分の引き出しを増やしていきましょう。
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