日本女子42年ぶりのメジャー制覇を成し遂げ、一躍時の人となった渋野日向子プロ。彼女の弾けるような笑顔と飾らない言動で、心をぐっと掴まれた人も多いのではないでしょうか。
ゴルフで日本人が優勝するのがどれだけ大変なことかは素人の僕にはわかりませんが、実力はもちろんのこと精神力や運のなどさまざまな要因がアジャストしないと成し遂げられないことだと思います。
老若男女問わず、世界で戦うだけのメンタルの秘訣は一体どこにあるのか、ご教示願いたい人は多いことでしょう。
あれだけの強心臓を持っていたら大事な場面でも緊張しなくなり、大事なプレゼンや会議でも堂々と発言することができ、昇進や年収アップも夢ではありません。
ところが現実はどうでしょう?人前に立つだけでも緊張してしまう、失敗しないぞと意気ごむほど些細なミスをしてしまう、という方は多いと思います。自分には無理だと思っているあなた。実はメンタルはコツさえ掴めば、誰でもコントールできるようになるのです。
緊張や不安を克服するには、ネガティブな感情をポジティブに変換することです。
不安や緊張、逆境に弱い人の多くは、「緊張するな」と言わんばかりにネガティブな感情を取り除こうとします。ですが、人間の心は意識すればするほど感情が強くなる性質があるので、気持ちは落ちていく一方。ではどうすれば、ネガティブをポジティブに変えることができるのでしょうか。
それは「笑顔」です。渋野プロの写真をみると、どれも広角が上がり、目は弓のように曲線的で表情筋もきゅっと上がっています。人相学という学問では、表情と感情は常にリンクしていると考えられており、「顔は心の鏡」であると言われています。
さらにイギリスのアルスター大学の研究によると、笑顔で運動をすると運動効率が上がるという研究結果が発表されています。
24人のアスリートに「笑顔」「しかめっ面」「普段と同じ表情」など様々な表情で6分間のトレーニングをし、運動効率がどのように変化するか測定を行ったところ、しかめっ面で走るより笑顔で走った時の方が2.8%運動効率が良かったそうです。
それを象徴するような出来事が平昌オリンピックでした。「そだねー」や「もぐもぐタイム」で一躍話題となった女子カーリングチームが終始弾ける笑顔でカーリング史上はじめてのメダルをもたらす歴史的な快挙を成し遂げました。
藤沢選手をはじめ彼女たちは常に笑顔でいることをルーティン化したことで、平常心でプレーすることができたのかもしれません。
とはいえ、緊張しているときに「笑顔になれ」と言われても、周囲の目が気になったり、慣れないことで余計に神経を使ってしまったりとできる人のほうが少ないでしょう。
そこでおすすめの方法があります。それは「その後の自分の姿」を想像すること。
プレゼンの前で緊張しているのなら「大成功を収めた自分の姿」、結婚式のスピーチでスベらないか不安なら「お笑い芸人のようにバンバン笑いをとっている姿」、企画書の締め切り期限が迫ってテンパっているなら「終わってビールと焼き鳥を食べている姿」何でも構いません。
自分が楽しい、幸せだと感じることをイメージすると、ドーパミンが分泌されて前向きな気持ちになります。感情と表情は繋がっていますから、つられるようにして表情が柔らかくなり、自然と笑顔が出るようになります。渋野プロが会見で優勝賞金をどう使うか、という質問に対して「お菓子をいっぱい食べる」と答えていたように、もしかすると「お菓子を死ぬほど食べている自分」を想像しながら試合をしていたシーンがあったのかもしれません。
子どもは1日に300~400回笑うが、大人は1日に15回しか笑わないという有名な話があります。これは僕の個人的な見解ですが、大人になると心の余裕が無くなったり、ときめきが減ってしまったりすることが原因なのではと考えています。
笑う数が減るとそれが習慣化されてしまい、笑わないのが普通になってしまうリスクもあります。心が疲れたなとか、最近仕事が上手くいかないなという時ほど笑う習慣が大切なのではないでしょうか。
家族や友人、恋人と他愛もない話で笑うのもよし、お笑い番組やコメディ映画のDVDみて笑うのもよし。笑顔を日常的に作ることを意識するだけであなたの人生は少しずつ変化していきます。
まずは、朝起きたら洗面台の前で口角を上げる練習をしてみてはいかがでしょうか。きっとネガティブな気持ちもポジティブに変わり、渋野プロのように幸せな空気が流れはじめるはずです。
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