こんにちは。EBATOです。
突然ですが、あなたは「限定商品」と書かれたものを一度でも買ったことがあるでしょうか。
- 冬季限定◯◯
- 100本限定10周年記念モデル
- 50名様限定でお値段半額
などなど「限定」という言葉に釣られて、買う予定がなかったのについ買ってしまった、なんてことはよくあると思います。
こうした限定商品は、なぜ魅力的に見えてしまうのでしょうか。
そこには人間ならではのある2つの心理が働くことがわかっています。
人と違うものを持つことで得られる優越感
人が持っていないものを、自分だけが持っていると何だか特別な感じがしますよね。
他人が持っていないものが欲しくなるという心理を「スノップ効果」といいます。
スノップ効果は、経済学者のライベンシュタインが1950年に消費者がどんなときに物を欲しがるのかを研究した際に提唱された理論です。
周りが持っていないことでその商品に希少価値が生まれ、需要が高まるといった仕組みです。
悪いたとえかもしれませんが、それほどいい商品ではなくても手に入りにくいというだけで価値が高まり、商品は売れていきます。
他人と違うものがいいという心理は、自分という「個」を持ちたい、あるいは認められたいという承認欲求からきているからかもしれないことを考えると、とても人間らしい理由ともいえるでしょう。
レアリティの高さ=魅力と比例する?
希少性は私たちの感覚をも狂わせることがわっています。ここで一つ面白い実験をご紹介します。
スウェーデンの経済学者ステファン・ウォーチェルは被験者に次のような実験を行い、希少性と商品価値にどのような関連性があるかを調べました。
- 2つの瓶に同じクッキーを入れて味をどう感じるかを評価する
- 1つの瓶には20枚、一方の瓶には2枚のクッキーが入っている
- 20枚のクッキーを食べてもらうグループと、2枚のクッキーが入ったグループに分かれて味を1~9段階で評価する
すると、2枚しか入っていないクッキーを食べたグループは、20枚入ったクッキーを食べたグループよりも味の評価が高く、「また食べたい」「魅力的に感じる」と答えたのだそうです。
つまり、この実験からわかることは、希少性の高いものほど価値が高いと錯覚し、感覚まで狂ってしまうということ。
すると先ほどお話したスノップ効果が働くことで需要が多くなります。しかし、供給が少ないわけですから、そこに価値が生まれるわけです。
人は損をしたくない生き物
人は得することよりも損失を恐れる心理を持っています。
「限定」とつくと、「この機会を逃したら、もう二度と手に入らないかもしれない」という心理も働きますね。
すると人の脳はとっさに「損をするくらいなら、持っておいてた方がいい」という思考をはじめ、つい買ってしまうというわけです。
この不安を煽るには、限定の領域が狭くなればなるほど効果的です。たとえば、「関東限定」よりも「千葉県限定」と絞ると千葉でしか買えないという希少性が生まれますし、「夏限定」のように季節ものにすると「次買うには1年も待たなきゃいけない」という心理が働きます。
これらの手法は、ビジネスで当たり前のように行われています。本当に必要なものならいいのですが、希少性やその場の雰囲気だけで商品を選ぶと後悔することになります。
本当に良いものや本質を見抜くためには、自分にとってその商品はどんなメリットがあるのかをよく考えてから買うことをおすすめします。