人前で緊張しないで話し上手になる方法





人前で話そうとすると、鼓動が大きくなり、手震えて足がすくみ、頭が真っ白になって話すべきことが飛んでしまう……そんな経験は誰にでも一度はあると思います。

しかし、社会に出ると自己紹介や友人の結婚式、会社のプレゼン、会議など人前で話す機会は多くなるばかり。僕も以前は人前で話すのがあまり得意ではありませんでした。ですが、ちょっとした意識を変えることで、少しずつ克服していくことができました。

実は人前に出ると緊張してしまう人の多くは、視野が狭くなっているという共通点があります。また、緊張している人は堂々と話している人に比べて、説得力が落ちてしまうというデータもあるようです。

もし、人前で緊張せずに話せるようになれば、日常生活やビジネスシーンでも大きなプラスになることは間違いないはずですよね。具体的にどのよなことを意識すれば、人前で緊張せずに話せるようになるのでしょうか。

緊張するのは本当に悪いこと?

緊張してしまう人の多くは緊張するのは悪いことであり、“自分の敵”と捉えている人が多いように感じます。確かに緊張していると不安になったり、手足が震えたりするので、成功の邪魔になるようにも思うかもしれません。

しかし、本当の原因は全く別のところにあります。それは、緊張を無理に取り除こうとしている“自分自身”。人間は「緊張するな」「落ち着け」と思えば思うほど、逆に緊張をしてしまう生き物です。つまり、強い意識をすることでかえって逆効果になってしまうというわけ。

よく、緊張している時に「肩の力を抜こう!」「身体に力を抜いてリラックスしよう」とアドバイスが聞かれますが、抜けた試しがある人はほとんどいないと思います。肩に力を抜こうとする→肩に意識が集中する→余計に力む、となってしまうため、「肩の力を抜く」というアドバイスを真に受けてしまうと、さらに緊張が高まってしまうのです。

では、どうすればいいのか。答えは簡単です。全身がガチガチになるくらい、目一杯力んでから力を抜くだけ。いきなり肩の力を抜こうとすると逆に力んでしまいますが、最初に限界まで力んでしまえばあとは嫌でも抜くしかなくなります。

つまり、緊張しているときは無理に落ち着こうとせず、「自分は緊張しているんだ」と冷静に受け入れることが大切です。どうしても緊張をネガティブに捉え、緊張している状態を不快に感じるのであれば、「緊張している自分」をポジティブな言葉に言い換えると心が楽になります。

例えば、「自分は緊張している」のではなく、「自分はやる気に満ちている」「自分は緊張するほど真剣に取り組めている」というような自分のモチベーションが上がる、甘やかす言葉へと変換してあげるだけで驚くほど頭がクリアになり、手足のの震えが収まるはずです。

緊張はたった3分で消えるという事実

それでもこの話をすると、一定数の人が「それでも緊張してしまいます」という方がいます。いつも緊張で押しつぶされてしまいそうになるという人の話を聞くと、どうやら「緊張が永遠に続くのではないか」という不安によって緊張が収まらないのではないかという仮説にたどり着きました。

確かに人間は目に見えないものに対して恐怖を感じる生き物ですから、「この緊張がいつまで続くんだろう?」と思うと不安になるのはわかります。そこで一つあなたに問います。

人前に出てから話が終わるまでの間、緊張感はずっと同じだったでしょうか。そんなことを考えている余裕はないと思うかもしれませんが、おそらく話の終盤に差しかかるころには人前に出た頃よりも気持ちが落ち着いていたはずです。

これは僕の経験上の話ですが、緊張のピークは3分間程度のもの。ウルトラマンが怪獣を倒すのと同じくらいの時間しか続かないのです。カップラーメンにお湯を入れて、待ち呆けている間に極度の緊張は過ぎ去ってしまいます。

例えば、プレゼンの時間が30分だったとしましょう。そのうちのたった3分だけを切り抜ければいいと考えれば、ずいぶん気持ちが楽になりませんか。緊張も有限であると認識するだけで、緊張と向き合うハードルもぐっと下がるはずです。

その話は誰のため?話す目的を意識しよう

僕も以前は人前で話すのがとても苦手でした。いつも声が震えてしまい、目線は泳いで頭はパニック状態。僕は「どうしたら緊張せずに話せるのだろう」と尊敬する先輩に相談を乗ってもらうことにしました。

すると、先輩からは考えても見なかった答えが返ってきたのです。

「君の場合は、上手く話そうとしすぎている。自分をよく見せようとばかり思っているんじゃないか?話が上手いに越したことはないけど、今のままじゃ君の話は誰も聞いてくれないよ。」

僕は完璧主義な性格でいつも失敗に怯えてばかりいるような人間でした。失敗することでもうチャンスがなくなるんじゃないかかっこ悪い自分を見られるのは恥ずかしいと考えていたのです。そんな僕の性格を見抜いていた先輩は、僕の引っ掛かりのど真ん中を一本の矢で射抜いてくれました。

緊張していると視野が狭くなっているせいか、自分ばかりにベクトルが向いてしまいがちです。上手く話さなきゃ、プレゼンを成功させなきゃという気持ちが先行してしまい、プレッシャーとして自分に重くのしかかります。

しかし、“話す目的”を見失ってしまっては、元も子もありません。例えば、自己紹介なら自分のことを知ってもらう、結婚式のスピーチなら楽しんでもらう、プレゼンなら納得してもらうのが目的になるはずです。上手く話せなくても結果として目的を達成することができれば、それは「イイ喋り」になり、文句をいう人は誰もいません。

常に相手のために語りかけるという意識を持って、話のゴールは何かを忘れずにいることで余計なプレッシャーを自分にかけずに済みます。ぜひ参考にしてみてください。

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