こんにちは。EBATOです。
勉強や仕事、あるいは新しい目標に向かって努力をするとき、絶対的に必要なのが「モチベーション」です。
特に強い組織を築くためにはメンバーが同じ方向を向き、同じレベルのモチベーションをいかに維持するかが重要になってきます。
そこで今回は、箱根駅伝で青山学院大学を2年ぶりの総合優勝に導いた原晋監督のマネージメント力に学ぶ、強い組織の作り方について考えていきます。
インタビュー誌や書籍を一通り読み漁ったところ、チームのモチベーションを高める三原則が見えてきました。
目標は達成可能なレベルで立てる
「目標がちっとも達成できない」「時間が経つごとにチームがバラバラになる」という悩みを抱えている人は多いと思います。なぜ、そんなことが起こってしまうのでしょうか。
それは「目標の立て方」に問題があるからかもしれません。チームのモチベーションを低下させないためには、“現実味のある目標”を立てられるかかカギになります。
難易度は「ちょい難」に設定する
簡単すぎる目標は手抜きの原因になりますし、高すぎる目標は「どうせ無理だ」という諦めが先行してしまうため、かえって逆効果になる場合があります。
目標はあくまで「これならばやれそう」「少し頑張ればできそう」と思えるくらいの“ちょい難レベル”に設定することが大切です。
そもそも人間がどんなときに一番パフォーマンスを発揮するのかというと、「ドーパミン」という脳内物質が分泌されるとき。ドーパミンはやる気の源です。
そんなドーパミンは、「少し頑張っているとき」により多く分泌されることが研究でわかっています。
メンバーで頑張れば達成できる目標を立てることで、結束力を高める効果もあります。組織力は個人よりもあくまで「集団としてのモチベーション」を優先することが大切なのです。
ここで、ちょい難の目標達成の精度を高めるテクニックをご紹介します。
達成までの道のりを「見える化」しよう
ゴールや達成までの道のりをより具体的にすることで、メンバーが同じレベルのモチベーションを持ちやすくなるメリットがあります。
たとえば、「ダイエットをする」という漠然な目標を立てても長続きしないでしょう。
そこで「3か月で2キロ痩せる」という目標を立てたうえで体重の変動や運動した日を記録することで、ゴールまでの道のりがわかりやすくなります。
このように数値化や視覚化することを「マイルストーン効果」と呼びます。
自己評価+客観的評価を加えよう
自分では頑張っているつもりでも思うような結果がついてこない場合があると思います。そんなときは第三者にフィードバックをしてもらいましょう。
フィードバックは、手っ取り早く自己成長するためには特に有効とされている方法です。人間はどうしても自分に甘くなりがちな生き物。
第三者の客観的な意見を受け止めることで、気づきが生まれます。伝えるときはマイナス面、次にプラス面の順番がおすすめです。
ゴールすることの魅力を明確にする
目標を立て方をいくら工夫しても「その先」をイメージできていなければ、必ず挫折してしまいます。
なぜなら、人の脳は意味のないことほどやりたがらない構造をしているからです。そして、誰もが損をすることに大きなショックを受けます。
たとえば、仕事には必ず「地味だけど絶対に必要な仕事」があり、必ず誰かがやらなくてはいけない場面があります。
ただ「この仕事をやって欲しい」と依頼しても、依頼された側は「雑務しか任せてもらえない」「自分はいてもいなくても同じ」と受け取ってしまう可能性があり、チームの士気にもかかわってくるでしょう。
仕事は適材適所で行ってこそ上手く回るものです。その仕事が持つ意味や、どれくらい貢献できるのかということを伝えることで、モチベーションの低下を防ぐことができます。
もっとも価値のある行いは「人のため」
ここで一つ質問をしてみたいと思います。就職活動をしていた(している)ときや新人のころを思い出してみてください。どんな熱意や志望理由を持っていましたか。
高給取りになっていい人生を送るためだという人もいるかもしれませんが、「誰かしらの役に立ちたい」という思いを持っている人が多いと思います。
人は自分のためよりも、他人のために努力する方が何倍もの力を発揮する「サンクス効果」という心理のおかげです。貢献することで感謝され、承認欲求が満たされるからだといわれています。
つまり、「君のためになる」というよりも「チームのみんなが喜ぶ」と伝える方が実行することの意義が明確になり、モチベーションの低下を防ぎ、達成確率が高くなるというわけです。
達成する意味を伝える
責任感のある仕事ほどやりがいを感じるものですが、やらなくてはいけない雑務にも必ず理由があります。
「これだけやったのに」という貧乏くじを引かされた感を相手に抱かせないためにも、「達成することでこれだけのメリットがある」という“お得感”を与えることが大切です。
しかし、人によってお得の感じ方は異なるので、その人に合った魅力を提示すると更にチームのモチベーションは高まるはずです。
いい緊張感を持たせる
箱根駅伝では、当日まで走者の変更が認められています。つまり、誰しもが箱根という年一度の大舞台で走れるチャンスを他の選手に奪われる可能性があるわけです。
実際に優勝した青山学院大学はもちろんのこと、他の大学でも事前エントリーしていた選手ではない、補欠の選手が走るケースが相次いでいました。
強いチームや強い組織というのは、こういった危機感や緊張感が必ずあります。原晋監督は選手たちを奮起させるために、あえて嫌われるような言葉を投げたりしていたそうです。
緊張感は高めすぎると場の空気がピリピリして居心地が悪くなったり、危機感を煽りすぎると組織が疲弊するリスクもあるので、リーダーや指揮官のコントロール力が問われます。
では、どのようにすればチームにいい緊張感を持たせることができるのでしょうか。
ライバル効果で競わせる
青山学院大学のように強いチームには、必ず競争が存在します。営業職などでは売上や契約件数を貼り出している会社などもあるでしょう。
競わせるのが難しい技術職やその他の部門であれば、知識量で競わせるのも有効です。たとえば、数ヶ月に1回社内でコンペを行うことで、互いに刺激し合うなど。
目標を公言する
自分だけの目標では、つい甘くなってしまうものです。公言をすることで後には引けない状況を作り出すことができ、「やらないとマズい」という危機感を煽ることができます。
また、目標を公言することで協力者が現れることが多々あります。一人では達成が難しい目標でも、2、3人の力が加わることで達成できる確率も高くなるわけです。
心理学ではこれを「パブリック・コミットメント」といい、目標は公言した方が達成確率が数倍上がるという報告も数多くされています。
ぜひ参考にしてみてください。