こんにちは。EBATOです。
「資格の勉強をしようと思ったのに、急な残業でできなかった」
「朝寝坊してしまい、1日やる気が起きない」
「トラブル続きでタスクが山積みになっていく……」
こうした計画倒れで悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
実は、どれだけ手帳術やToDoリストの使い方を学んでも、失敗したときのメンタルマネジメントができないと、いつまでも間違った計画の立て方をしてしまうのです。
なぜならば、計画が100%計画通りに進行することはほぼないからです。計画立てるのが上手い人とそうでない人の差は、想定外のことが起こったときのリカバリー方法にあるといっても過言ではありません。
年末にもなれば、今年一年を振り返って来年に向けての目標を立てる方も多いでしょう。そこで今日は狂わない計画の立て方についてお話します。
計画倒れに悩む人がなぜ多いのか
世界的に見ても、日本人は計画立てて物事を進めることを好む民族です。その理由として、日本人の多くはネガティブであり、不安や心配事を抱えやすい人種であるといわれています。
人間のメンタルは2タイプ存在する
心理学者のジュリー・K・ノレム博士は、人間のメンタリティを次のような2つに分類できるとしています。
- それまで成功していても「次は失敗するかも」と考える“ネガティブ派”
- 根拠のない自信で「次もきっと大丈夫」という楽観思考の“ポジティブ派”
日本人の実に98%は前者のネガティブ派であるといわれているそうです。「やりたいことがあるのに挑戦できない」「自分には無理かな……」と考える人が多いのも納得の理由でしょう。
一つ注意していただきたいのが、決してネガティブ派が悪いということではなく、どちらのタイプも一長一短があるということです。
例えば、ポジティブ派の人は考えるよりもとりあえずやってみるタイプの人なので、必然的に失敗する確率は高くなります。一方で立ち直りが早いというメリットも。
対してネガティブ派の人は、事前準備に力を注ぐので、ポジティブ派に比べてリスクマネジメントがしやすく、成功率も上がります。しかし、一度コケてしまうと自分を責めてしまいがちになるデメリットがあるわけです。
日本人は計画倒れを起こしやすい
さて、日本人の9割以上はネガティブ派であるという話をしましたが、そもそも何のために計画を立てるのかというと、自分の不安や心配、リスクを取り除くためだと思います。
つまり、計画を立てて事前準備をしっかりと行い、自分が成功するイメージを描いたうえで実行することで、成功率を高めていこうというのがスタンダード。
けれども、どんなに緻密な計画を立てても完璧に進行する保証はありません。頭では分かっていても、いざ予期せぬことが起きて計画が狂うとネガティブな気持ちになってしまいますよね。
計画を立てる回数が多いということは、それだけ狂う頻度も増えることになります。ですから、計画が狂うことで悩む人が多いのは不思議なことではないのです。
失敗しない計画の立て方
おそらくここまで読んでくださったあなたは、それなりに計画術の本やスケジュール管理の仕方の情報を持っていることでしょう。
そこで僕からは心理面から見るネガティブになりにくい計画の立て方をお教えしようと思います。方法はとても簡単で3つステップに基づいて書き出していくだけです。
ステップ①:計画が崩れそうな場面を事前に想定しておく
計画が狂うとやる気が一気になくなってしまうこと、ありますよね。どうしてそんな現象が起こるのかというと、予期せぬ出来事にショックを受けてしまうからです。
急な残業が入った、どうしても参加しなければならない飲み会ができたというように、「こんなはずではなかった!ことが起こると人は衝撃を受けて感情の整理が必要になります。
でも乱れた心を整える作業は、脳にとって負担でしかありません。脳が使わなくてもいいエネルギーを消費することで、やる気の低下に繋がるのです。
そこで、事前に計画が崩れそうなシーンを事前にイメージしておきます。例えば、忙しくて勉強する時間が確保するのが難しそうだ、接待で疲れて勉強どころではない、といった具合です。
このようにあらかじめ崩れる場面をイメージしておくことで、想定外のことが起こったときに受ける衝撃を緩和することができます。
ステップ②:実際にトラブルが起こったときの行動を決める
予期せぬ事態によって、やる気を失われると真面目な人ほど自分を責めます。しかし、「自分で決めたことなのに……」「自分はなんてダメなやつなんだ」という風に自分を責めると、計画はますます崩れていき、悪循環に陥ってしまいます。
そこで実際にステップ①でイメージしたことが起きた場合、どうするかを決めておくことが大切です。もし、多忙で帰りが終電ギリギリのときはすぐに寝る、お酒を飲んだ日は効率が落ちるのでやらない、というようにやらない勇気を持つことも大切。
事前に行動パターンを作っておくことで、それに従って行動していけばいいので、自分で決めたことを守っていることにもなります。罪悪感はぐっと減るでしょう。
ステップ③:②で決めた行動を形にする
最後は、ステップ2で決めた行動を形にしていく作業です。ご紹介するのは「if-thenプランニング」という学術研究で効果が立証されている方法です。
具体的にどんなものかというと、「もし、(if)Aが起きたら、Yをする(then)」といったように不測の事態が起きたときの行動を前もってリスト化しておきます。
例えば、「もし、飲み会で帰りが遅くなるときは、翌日の通勤電車のなかで勉強をする」といった具合です。「if-thenプランニング」を使うことで、意思決定に雑念が入りにくくなり、狙った行動を実行しやすくなるのです。
挫折しにくいメンタルになるには?
計画が狂うとどうしても自分を責めてしまうという人は、自己許容力を高めるトレーニングをするといいでしょう。
自己許容力とは、文字通り「自分のことを許す力」のことをいいます。うつ病になりやすい人の特徴として、自分に厳しいことが挙げられます。
真面目な人ほど自分を大事にしよう
実は昔の僕も自分にめちゃくちゃ厳しい完璧主義者でした。失敗するたびに「自分はダメな人間だ」と落ち込み、努力を試みるもモチベーションが上がらず、努力ができない自分をまた責めるといった悪循環に陥っていた時期がありました。
そんな僕が実践していた、自分に優しくなる方法をご紹介しましょう。その方法とは「自分を慰めること」です。計画を立てる人の多くは、事前にわかっているスケジュールや起こり得る事態を予測して立てているでしょう。
それでもイレギュラーなことが起こるのは仕方のないこと。不運でしかありません。不運が起こるたびに自分を責めていては、あっという間に心が折れてしまいます。
勉強するはずだったのに、突然残業をしなければならなくなったときは、「不運に見舞われて、かわいそうだったね」と心の中で慰めてあげましょう。
「ゼロ」が嫌なら「イチ」でもいい
とはいえ、考え方を変えるためにはそれなりの時間が必要です。そこで、どうしても自分が許せないときは1に繋がることをしてみましょう。
例えば、勉強のテキストや読書のページは何も手を付けなければ「ゼロ」ですね。でも1ページやることで何もやらないよりはマシです。
真面目な人や完璧主義の傾向にある人は、物事をゼ0か100で判断しがち。0点より60点、70点のほうがマシであることを認識させるトレーニングにもなります。
最初は僕も受け入れにくかったのですが、少しずつ訓練を積むことで完璧主義を克服することができるようになりました。
数が積み重なることで、完璧に近づくということを感覚的にわかってくると計画倒れも起きにくくなります。